仮面夫婦とは?割合・特徴・行く末と、立て直すための第一歩

公開日:2026年10月13日|執筆:ふたりレンサ編集部(株式会社NAMI-RENSA)

仮面夫婦とは、人前では仲のよい夫婦に見せていても、ふたりの間の関係は冷えている夫婦のことです。割合を全国規模で調べた公的な統計は、確認できた範囲では見つかりませんでした。そこでこの記事では、夫婦の満足度や会話量を調べた大規模調査を手がかりに実態を整理し、特徴のチェックリスト、離婚しない理由、行く末、立て直しの第一歩までを解説します。

仮面夫婦とは?意味と似た言葉との違い

仮面夫婦とは、他人の前では仲のよさを見せていても、実際のふたりの関係は冷えきっている夫婦を指す俗な言い方です。辞書(デジタル大辞泉)でも、ほぼこの意味で説明されています。法律用語や医学用語ではないため、「ここから先が仮面夫婦」という線引きはありません。

似た言葉との違いを、一般的な使われ方でまとめると次のようになります。いずれも法律上の区分ではなく、目安として読んでください。

言葉一般的な使われ方仮面夫婦との違い
仮面夫婦外では円満に見せ、ふたりの間では関係が冷えている「外に見せる顔」があることが特徴です
家庭内別居同じ家に住みながら、生活や会話をほとんど分けている外からどう見えるかは問いません。仮面夫婦と重なることもあります
冷めた夫婦以前より気持ちの熱量が下がった状態外に演じている意識があるかどうかは問いません
卒婚婚姻関係は続けたまま、互いに自立して別々の生活を認め合う形ふたりが話し合って合意している点が異なります

仮面夫婦という言葉には、どちらかに原因があるという意味は含まれていません。そこに至るまでには、話そうとしてもうまくいかなかった経験が重なっていることがあります。

仮面夫婦の割合は?調べて分かったこと

「仮面夫婦が何割いる」と示せる公的な統計は、確認できた範囲では見つかりませんでした。仮面夫婦には統計上の定義がなく、「自分たちは仮面夫婦だ」と感じるかどうかも人によって違うためです。民間の調査には自己申告で割合を出したものもありますが、対象者の集まり方や設問によって数字が変わるため、この記事では全体の割合としては載せません。

その代わりに、夫婦関係の満足度や円満度を聞いた2つの大規模調査を見てみましょう。

満足60.3%/満足と言い切れない39.7%
リクルートブライダル総研「パートナーシップ調査2024」(全国の既婚者18〜69歳、3,100名、2024年2月実施)では、配偶者・パートナーとの関係に「満足」が60.3%、「どちらとも言えない」が22.8%、「不満足」が16.9%でした。後ろの2つを合わせると39.7%です。
円満78.4%/円満でない7.3%
明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査2025(全国の既婚男女20〜79歳、1,620名、2025年10月実施)では、夫婦仲が「円満である」「まあ円満である」の合計が78.4%、「どちらともいえない」が14.3%、「あまり円満でない」「円満でない」の合計が7.3%でした。

2つの数字が違うのは、聞き方(「満足」と「円満」)、対象の年齢、調査の時期が異なるためです。どちらの調査からも「仮面夫婦の人数」は分かりません。ただ、関係に満足や円満とは言い切れない人が、2割から4割ほどいることは確認できます。関係に迷いを抱える夫婦は、決して珍しくありません。

仮面夫婦の特徴としてよく挙げられる「会話の少なさ」は、明治安田生命の同じ調査にも差として表れています。

円満である(計)あまり円満でない・円満でない(計)
平日に夫婦の会話が0分の人1.7%28.6%
平日の平均会話時間141分26分
休日の平均会話時間266分50分

出典は明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査2025です。円満でないと答えた人は回答者全体の7%ほどで、人数は限られます。また、会話が少ないから円満でないのか、円満でないから会話が減るのかは、この調査だけでは分かりません。

仮面夫婦に見られやすい特徴チェックリスト

次の項目は、仮面夫婦と言われる状態で挙げられやすい特徴をまとめたものです。診断ではなく、いまの状態を言葉にするためのメモとして使ってください。当てはまる数で仮面夫婦かどうかが決まるわけではありません。

  • 家の中の会話が、連絡事項や子どものことだけになっている
  • 相手に何かを期待すること自体をやめた
  • 休日は別々に過ごすのが当たり前になっている
  • 親戚や友人、近所の人の前では、仲のよい夫婦として振る舞っている
  • ふたりでの外出や食事が、この1年ほどない
  • 相手が家にいないとき、うれしさより気楽さを感じる
  • スキンシップやふたりだけの時間が、ほとんどない
  • 気持ちを話しても分かってもらえないと感じて、話すのをやめた
  • 離婚という言葉が頭に浮かんだことがあるが、口に出してはいない
  • 子どもや生活のために、いまの形を続けていると感じる

気持ちの面でも、差が出る調査があります。リクルートブライダル総研のパートナーシップ調査2024では、「配偶者・パートナーと一緒にいると、緊張したり、気が重たくなる」に当てはまると答えた人が、関係の満足層では8.8%、不満足層では49.1%でした。

チェックが多くても、どちらかが悪いという意味ではありません。出産後や繁忙期など、一時的に余裕をなくしているだけのこともあります。産後のすれ違いが気になる方は、産後クライシスの症状チェックリストも参考にしてください。

仮面夫婦になる理由と、離婚しない理由

仮面夫婦は、関係が冷えたときに「離婚する」「話し合って立て直す」のどちらも選ばないまま、時間が過ぎた状態と考えると整理しやすくなります。そこに至る流れを、3つに分けて見てみます。

話しても納得に至らない経験が重なる

リクルートブライダル総研のパートナーシップ調査2024では、関係に不満足な層は、「自分と配偶者・パートナーとの関係について」「家事や育児の分担について」「子どもの教育や将来について」の3項目で、話した割合よりも、相互に納得した割合のほうが30ポイント以上低くなっていました。報告書は、話してはいるものの納得できていないことが、不満足の背景の一つにあると推察しています。

話していないのではなく、話してもすれ違った経験が積み重なると、「もう話しても同じ」と感じて口数が減っていきます。

離婚しない理由は、夫婦ごとに違う

理由は夫婦ごとに異なります。子どもの成長、生活費や住まいなどの経済面、周囲への体面は、よく語られる事情です。この記事では、理由ごとの割合を示せる信頼できる調査を確認できなかったため、数字は載せていません。

どの理由も、相手を嫌いだからというより、いまの生活を守りたいという気持ちから来ていることがあります。続けていること自体を責める必要はありません。

軽蔑や無視が続くと、距離が固まりやすい

米国の心理学者ジョン・ゴットマン博士が率いるゴットマン研究所は、関係を壊しやすい態度として、批判、軽蔑、防衛的な態度、ストーンウォーリング(話し合いから身を引いて反応をやめること)の4つを挙げています。同研究所は、このうち軽蔑が離婚のいちばん大きな予測因子だと述べています。

相手を見下す言い方や、話しかけても反応しない状態が続くと、ふたりとも自分を守るために距離を取るようになります。外では取り繕い、家では関わらないという形は、その延長にあることがあります。

仮面夫婦の行く末は?3つの道筋

仮面夫婦だった夫婦がその後どうなったかを追跡した統計は、確認できた範囲では見つかりませんでした。確かな割合は示せませんが、ここでは考えられる道筋を3つに整理します。

1. 形を変えずに続く

外には円満に見せたまま、家の中では最小限の関わりで暮らし続ける形です。大きな衝突は起きにくい一方で、言いたいことを言わずに過ごす負担は、毎日少しずつ積み重なります。子どもがいる場合は、親の関係を子どもがどう受け取るかも気になるところです。

2. どこかで離婚に至る

仮面夫婦に限った数字ではありませんが、厚生労働省の「離婚に関する統計」(令和2年の人口動態統計にもとづく)では、離婚の88.3%は協議離婚でした。また、別居期間(別居から離婚届の提出まで)が1年未満の離婚は、構成割合で82.8%です。離婚の大半は第三者が入らない協議で、別居から1年足らずで成立していることが分かります。

同じ統計で、同居期間が20年以上の夫婦の離婚は、離婚全体の21.5%でした。この割合は上昇傾向にあると報告されています。長く続いた夫婦でも、関係を見つめ直す場面は訪れます。

3. 話し合って、形を変える

立て直す道や、卒婚のようにふたりが合意して暮らし方を変える道です。リクルートブライダル総研の調査では、関係に満足している層ほど、話し合っている項目が多く、話した結果として納得する割合も高いと報告されています。因果関係までは分かりませんが、ふたりのやり取りの質が、関係の違いと関わっていることは読み取れます。

子どもへの影響が気になる方は、夫婦喧嘩と子どもへの影響の記事も参考にしてください。

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立て直すなら、まず小さな一歩から

冷えた関係ほど、いきなり重い話を切り出すと相手が構えてしまいます。関係を見直したいと宣言するより、次のような小さな一歩から始めるほうが、続けやすくなります。

1. 気持ちを、相手に見せずに書き出す

話す前に、自分が何に疲れ、何を望んでいるのかを言葉にしておきます。相手に見せないメモなので、本音のまま書いて構いません。気持ちの整理がつくと、伝えるときの言葉が穏やかになります。

2. 一言の「ありがとう」を足す

明治安田生命の2025年調査で、夫婦円満のために必要だと思うことの2位は「感謝の気持ちを伝える」(33.5%)でした。1位は「よく会話する」(49.3%)です。連絡事項に一言足すだけでも、会話の温度は少し変わります。

3. 日時を決めて、10分だけ話す

「話せるときに話そう」では、仮面夫婦の状態では始まりません。月に一度、10分だけ、連絡事項抜きで話す時間を予定に入れます。話すことが決まらなければ、「今月助かったこと」と「来月お願いしたいこと」の2つで十分です。会話を増やす方法は、夫婦の会話がないときの原因と取り戻し方で詳しく書いています。

4. 言いにくいことは、伝え方を変える

「いつもあなたは」ではなく「私はこう感じた」と主語を自分に変えるだけでも、受け取られ方は変わります。具体的な言い方は言いたいことが言えない心理と伝え方にまとめました。

5. ふたりだけで難しければ、第三者の力を借りる

ふたりだけでは話が進まないときは、夫婦カウンセリングなど第三者の力を借りる選択肢があります。費用の目安や選び方は夫婦カウンセリングは意味ない?費用相場と行く前に試せることで解説しています。関係を立て直す具体策は夫婦仲の改善・関係修復の具体策も参考にしてください。

つらさが強いときは

大切なお知らせ:ふたりレンサは、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。つらさが強いとき、DVや心身の不調があるときは、医療機関や公的な相談窓口に相談してください。たとえば、DV相談ナビ(#8008)に電話すると、お近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります(受付は各機関の相談受付時間内で、通話料がかかります)。生活や心のつらさ全般は、よりそいホットライン(0120-279-338、フリーダイヤル、運営:一般社団法人社会的包摂サポートセンター)でも相談できます。

暴力や、人格を否定される言動、お金を渡されないなどの状態は、「仮面夫婦」として我慢する話ではありません。まず安全を守ることを優先してください。

よくある質問

仮面夫婦とは何ですか?

人前では仲のよさを見せていても、実際のふたりの関係は冷えている夫婦を指す俗な言い方です。法律用語や医学用語ではなく、どこからが仮面夫婦かという明確な線引きもありません。

仮面夫婦の割合はどのくらいですか?

全国規模で割合を調べた公的な統計は、確認できた範囲では見つかりませんでした。参考として、リクルートブライダル総研の2024年調査(既婚者3,100名)では、関係に「満足」は60.3%、「どちらとも言えない」と「不満足」の合計は39.7%でした。明治安田生命の2025年調査(既婚者1,620名)では、夫婦仲が「あまり円満でない」「円満でない」の合計は7.3%でした。

仮面夫婦はいつまで続きますか?

期間を調べた統計は見つかりませんでした。夫婦ごとに異なり、そのまま続く場合も、話し合いを経て形を変える場合も、離婚に至る場合もあります。

仮面夫婦と家庭内別居は同じですか?

重なることはありますが、同じではありません。一般には、仮面夫婦は外に見せる顔があることが特徴で、家庭内別居は同じ家で生活や会話を分けている状態を指します。どちらも法律上の区分ではありません。

仮面夫婦を抜け出すには、何から始めればいいですか?

まずは、自分の気持ちを相手に見せずに書き出すこと、連絡事項に感謝の一言を足すことなど、小さな一歩から始めるのがおすすめです。ふたりだけで難しいときは、夫婦カウンセリングなど第三者の力を借りる方法もあります。

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ふたりレンサ編集部
運営:株式会社NAMI-RENSA(代表 星野丈)。「言いたいけど言えないを解消できる場所をつくる」をミッションに、夫婦のかかりつけサービス「ふたりレンサ」を運営しています。
参考文献・出典(2026年10月時点で確認) リクルートブライダル総研「パートナーシップ調査2024」(全国の既婚者18〜69歳・3,100名、2024年2月実施)/明治安田生命「『いい夫婦の日』に関するアンケート調査」2025年11月19日公表(全国の既婚男女20〜79歳・1,620名、2025年10月実施)/厚生労働省「令和4年度 離婚に関する統計」(令和2年の人口動態統計にもとづく)/The Gottman Institute「The Four Horsemen」/デジタル大辞泉「仮面夫婦」(コトバンク)/内閣府男女共同参画局「DV相談ナビ」/よりそいホットライン。数値は概数であり、調査時期・対象・設問により変動します。本記事は医療情報の提供や診断を目的としたものではありません。